街や人がちょっとずつ変わっていった(規制緩和の道のり第12話)

2017年07月04日

つくばでは、セグウェイツアーや防犯パトロール以外にも、セグウェイを使った様々な実験を行いました。例えば、通勤の実験や道案内、ゴミ拾いの実験などを行いました。ショッピングセンターの中でのセグウェイツアーもしてみました。実験には、つくば市の職員、大学生、研究機関や企業の方々など様々な方が参加してくれました。 

 セグウェイによって生まれるコミュニケーション効果は、思いもよらぬ面白いことを引き起こしてくれました。

 先日のブログでも書きましたが、防犯パトロールのおじさんたちは最初は恥ずかしそうだったけど、段々と道行く人に積極的に声をかけるようになっていきました。

 内気そうな学生さん達もセグウェイに乗ると人が変わったようにたくさんコミュニケーションをとるようになりました。

 お固いサラリーマンのおじさんたちも素敵な笑顔をみせて手をふるようになりました。

 

 セグウェイに乗ると、大概の人が笑顔で手をふったり挨拶をするので、道ですれ違う人たちもそれに笑顔で応えてくれます。

 つくば市の住民は、研究学園都市という街の性質上、セグウェイやロボットといった新しいテクノロジーが街の中に入ってくることに対してもともと寛容的ではありましたが、日々実験を続けていると、行き交う人たちの反応はさらによくなっていったと感じています。

 セグウェイの実験に参加してくれた方々が単にすいすい走るのでなく、積極的に挨拶したり、道をゆずったり、周囲に気遣うふるまいをしてくれているおかげだと思います。セグウェイを見かけると、先に笑顔で手を振ってくれたりする人の数が増えてきている気がします。特に子供たちは、一度セグウェイに乗っている人から手を振られたことがあると、次に見かけたときは自分たちから先に「セグウェイさん、こんにちは」と挨拶してくれることが多いです。

 目を合わせて、ニコっと微笑むだけでもいい。街中でのちょっとした笑顔のコミュニケーションはお互いをちょっとだけハッピーな気分にさせてくれます。

 年々、そうしたコミュニケーション効果が広まってきており、街に何となく寛容性の輪が広がっていっているのを実感できます。


 

 最初にセグウェイをつくばで走らせたいと思ったとき、それによって街に先進的なイメージが与えられるとか、話題になってシティプロモーションにもなるといったことを考えていました。実際、多くのメディアに取り上げていただいたし、セグウェイを街で見かけた人たちからは「つくばらしいね」とか「さすがつくば」とか多く言われました。確かにセグウェイが街を走っている様子は、科学の街つくばらしさを分かりやすく伝えるアイコンになり、それはそれでよかったなと思いました。

 しかし、そうしたこと以上に、セグウェイがもたらす笑顔とコミュニケーションの効果、人と人をつなぎ、他者への配慮を生み出す効果、街がより寛容的になっていく変化こそ、街にとって大切なことだなと、実験を続けているうちに思うようになりました。

 

 実験を始めたときにはそこまでクリアに感じていませんでしたが、セグウェイは単なる移動手段ではなく、人に変化をもたらすという意味で「まちづくり」にも役立つツールなのだと改めて思ったのでした。