セグウェイは馬に似ている。馬にも乗ってみた(規制緩和の道のり②)

2017年05月08日

「セグウェイは馬に似ている」
「人類は、自動車や鉄道が普及する前は、馬(馬車)に乗って移動をしていた。セグウェイで街を移動するという行為は、馬でのそれに近い」というようなことを、セグウェイジャパン(株)の秋元大さんが言っていたので、私は、よくわからないけど、パリのセグウェイツアーも楽しかったし、とりあえず馬にも乗ってみようと思い、ホーストレッキングに参加してみることにしました。

秋元さんのおすすめで、行き先は北海道。12月の寒いパリに続いて、これまた極寒の冬の北海道です。
とかち帯広空港から1時間ほどの場所にある「十勝千年の森」というところにある「森の馬小屋」で、広大な自然の中でホーストレッキング体験ができるのです。

12月の十勝は、あたり一面が白銀の世界。
もちろん初めての乗馬体験。どきどきです。

 

しかもなんと、こちらのホーストレッキングプログラムは、なんと!!
森の中の放牧地にいる馬を自分で捕まえるところから始まるのです。

馬はとても警戒心が強く、捕まえようと思って近づくとすぐに逃げていってしまいます。そんな草食動物の馬をどうすれば捕まえることができるのか。馬の気持ちになってみるところから、このプログラムは始まります。

これがなかなか難しく、ほいほい近づいても馬は逃げてします。横からこっそりとか、目をあわせないようにとか、数十分かけてあれこれ試して、やっとこさ。いよいよ横に立っても馬が逃げずに、「いいよ、いっしょに行っても」とオッケーしてくれたときは、まだ乗ってもいないのにすでにかなり感動ものです。

こいつならまぁ乗せてもいいかなと承認されたような気分です。

捕まえた馬を厩舎まで連れていき、ブラシをかけたり、水を飲ませたり、鞍をのせたり、馬に乗る準備をします。このプロセスも馬に乗るためにとても重要です。こいつはどういうやつか、ほんとに乗せてもやってもいいやつなのか、馬に観察されている感じです。

「馬に乗るためには、馬のリーダーになることが大切。」
こちらのプログラムを提供している田中次郎さんは言います。

言葉が通じない馬に、それをどのように伝えるか。リーダーといっても、威張っているだけではもちろんダメなようです。

準備ができたら、馬場で少し練習をして、いよいよ白銀の森に出発です。


あたり一面が白銀の世界の中でのホーストレッキング。数十センチつもる雪をかき分けながら、てくてくと馬が進んでいきます。
 
 

ちょっと高くなった視線で雪に包まれた森の景色を堪能しながら、一歩一歩、馬から伝わる大きな揺れや踏みつける雪の感触を感じながら、一緒にゆっくり進んでいく感じはこれまた新鮮で何とも楽しい。

「ほうほう。確かにこれは、セグウェイで街を巡っているときの感覚に近いものがあるかも。」
(これは、あとから思ったことで、このときは馬に乗るのが精一杯で、そんなことを思う余裕はなし(汗))

このときの私は、ちゃんと馬が言うことを聞いて素直に進んでいってくれるのか、暴走したりしないか、馬とちゃんとコミュニケーションし続けることができるのか、かなりドキドキ。そもそも私の言うことを聞いて馬が動いてくれているのか、先頭を走る田中次郎さんの馬について行ってるだけなのでは・・・。

林道を抜けて広い草原に出てくると、みなさん少しスピードアップ。ゆっくり並足から、早足や駆け足でぱかっぱかっと進んでいきます。

 

 

案の定、はじめての私は馬の早足のリズムについていけず、馬上であたふた。早足は爽快でなんとも気持ちがよいのですが、必死に食らいついているだけの私のせいで、馬もうまくリズムに乗れず、なんとなく苦しそう…
一応は走ってくれるのですが、馬はあまり気持ちよくなさそう・・・
手綱を強く引き過ぎたりして、若干泡吹き気味だったり・・・ごめんね、お馬さん。

 

 

いや〜、馬とのコミュニケーション、これはなかなかむつかしく、奥が深いです。
半分もコミュニケーションがとれていなかったと思いますが、それでも馬がお利口だったのでしょう、はじめてのトレッキングは大変楽しく終えることができました。

手綱や足を使って、進むとか、止まるとか、こちらの意志を馬に伝えるわけなのですが、強すぎても弱すぎてもだめだし、迷いながら行っても馬はどっちなんだと混乱してしまいます。
馬のリーダーにならなくてはならないのですが、威張って強く指示しすぎると、馬は反発します。優しくしすぎても、舐められてしまって言うことを聞いてくれません。
馬上でこちらが不安になったり緊張したりしているのも、それも伝わります。

馬とどう信頼関係を築いて、どう折り合いをつけられるか。言葉を使わずに、自分の意志を正確に伝えることができるか、また刻一刻と変わる馬の気持ちの変化を感じ取れるか。
お互いに相手にゆだねられるか。

人馬一体という言葉がありますが、まさにどうしたらそうなれるか。
そうなったときにはじめて、馬は気持ちよく走ってくれるのです。

はじめてのこのときは、まだこの感覚は味わうことはできず、のちのちの分かるようになったのですが、馬が気持ちよく走ってくれてはじめて、乗っているほうもとっても気持ちよくなれるのです。

いや〜、これは奥が深い。

お互いの身体が拡張して、一体となるような感覚。馬と乗り手のお互いの気持ちが通じあい、楽しいという思いを共有できると、もっともっと楽しくなる。

せっかくならこの境地に達してみたい!そう思った私は、自宅近くの乗馬クラブでこっそり練習をしながら、この後も何回か、十勝の「森の馬小屋」に通うことになるのでした。 (続く)

大久保剛史

 

 


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